2026年5月22日、広島で開かれたIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2026「SAKE部門」の審査結果が発表されました。四季桜からは4銘柄が入賞し、なかでも純米大吟醸「夢ささら」が純米大吟醸酒の部でゴールドメダルを獲得。さらに「栃木県トロフィー」を受賞しました。
「夢ささら」は、栃木県が13年をかけて生み出した酒米です。県産の米を、県産の酵母で、県内の蔵が醸す——そのすべてが栃木で完結した一本が、世界最大級の日本酒審査会で評価を受けました。
この記事では、受賞の中身と、その背景にある酒米「夢ささら」の話、そして四季桜 純米大吟醸 夢ささらというお酒そのものについてご紹介します。

IWC2026で四季桜が受賞した4銘柄
今回のIWC2026で、四季桜は以下の4銘柄が入賞しました。
| 銘柄 | 受賞 |
|---|---|
| 四季桜 純米大吟醸 夢ささら | ゴールド + 栃木県トロフィー |
| 四季桜 普通酒 | ゴールド |
| 四季桜 とちぎの星 純米酒 | シルバー |
| 四季桜 純米大吟醸 今井昌平 | ブロンズ |
大吟醸クラスから普通酒まで、価格帯の異なる4本が同時に評価されたことに、蔵としては特別な意味を感じています。日常の一本にも、特別な日の一本にも、同じ手をかけているつもりだからです。
「栃木県トロフィー」とは
聞き慣れない賞かもしれませんので、正確にご説明します。
IWCのSAKE部門では、11のカテゴリーごとにブラインド・テイスティングで審査が行われ、ゴールド・シルバー・ブロンズのメダルが決まります。そのうえで、各カテゴリーのゴールド受賞酒のなかから最も優れた1本に「トロフィー」が授与されます。2026年の純米大吟醸トロフィーは、来福酒造(茨城県)の「来福 純米大吟醸 愛山」でした。
そして「県名トロフィー」は、そのトロフィー銘柄にはわずかに及ばなかったものの、高い評価を得た、産地の異なる次席の銘柄に授与されるものです。つまり四季桜 純米大吟醸 夢ささらは、純米大吟醸のゴールド受賞酒のなかで上位に位置づけられた、ということになります。
IWCは1984年に設立された、世界で最も権威あるワインコンテストのひとつです。SAKE部門は2007年設立で、2026年はちょうど20周年。記念の年の開催地は広島でした。日本国外で行われるSAKE審査会としては最大級で、審査はすべてブラインド——銘柄も蔵元も伏せたまま、味だけで判断されます。
2026年、四季桜が受けた評価
実はこの春から夏にかけて、四季桜には続けて知らせが届いていました。
| 時期 | 審査会 | 結果 |
|---|---|---|
| 2026年5月20日 | 全国新酒鑑評会 | 四季桜 大吟醸酒 金賞 |
| 2026年5月22日 | IWC 2026 | 純米大吟醸 夢ささら ゴールド+栃木県トロフィー |
| 2026年6月17日 | Australian Sake Awards | 四季桜 今井昌平 2年連続ゴールド |
| 2026年7月31日 | Milano Sake Challenge | 純米大吟醸 夢ささら プラチナ |
国内の全国新酒鑑評会で金賞、そして国際審査会が3つ。夢ささらに限れば、IWCとミラノで立て続けに最高位クラスの評価を受けたことになります。審査基準も審査員の顔ぶれも異なる場で同じ評価が重なるとき、それはたまたまではないのだろうと思います。
酒米「夢ささら」——栃木が13年かけて生んだ米
日本酒を選ぶとき、ラベルの「原料米」まで見る方はそう多くないかもしれません。けれど夢ささらについては、少しだけ知っていただきたい経緯があります。
「栃木酒27号」と呼ばれていた米
夢ささらは、栃木県農業試験場が2005年から育成をはじめた酒造好適米です。母は酒米の王様と呼ばれる山田錦、父は病気に強いT酒25。交配と選抜を10年以上くり返し、2018年2月にようやく品種登録されました。それまでは「栃木酒27号」という開発番号で呼ばれていました。
「夢ささら」という名前は、酒造りで桶や樽を洗うときに昔から使われてきた道具「ささら」に由来します。竹の先を細かく割いてつくる、地味な道具です。華やかな名前ではありませんが、蔵の仕事を知る者にとっては、これ以上ないほど的確な名づけだと感じます。
大吟醸のためにつくられたような米
夢ささらの特性は、育てる側と醸す側の両方に向いています。
- 倒れにくい——酒米は背が高く倒伏しやすいものが多いなか、強風でも倒れにくい
- 縞葉枯病に抵抗性がある——農薬に頼りすぎずに育てられる
- 心白がはっきりしている——米の中心の白く不透明な部分。麹菌が入り込みやすく、酒造りに向く
- 削っても砕けにくい——大吟醸づくりに不可欠な条件
- アミノ酸成分が多い——旨みと甘みにつながる
とくに「削っても砕けにくい」という性質は、精米歩合を深く追い込む酒には決定的です。四季桜 純米大吟醸 夢ささらは精米歩合40%。米を6割削り落としてなお、粒が崩れずに残ってくれる米でなければ、この造りは成立しません。
栃木県内では2019年から27の蔵が一斉に夢ささらの酒を仕込みはじめ、いまや県を代表する酒米になりました。宇都宮酒造もそのひとつです。
四季桜 純米大吟醸 夢ささらという酒

| 原料米 | 夢ささら(栃木県産) |
| 精米歩合 | 40% |
| 酵母 | 栃木県TF酵母 |
| アルコール分 | 16% |
| 日本酒度 | −4.0 |
| 酸度 | 1.7 |
| 容量・価格 | 720ml ¥3,993/1800ml ¥7,997(税込) |
数字から読み解く味わい
日本酒度−4.0という数字は、いわゆる「やや甘口」の領域です。ただし酸度が1.7とやや高めに取ってあるため、飲んだときに甘さがだらりと残ることはありません。甘みが立ち上がったあと、酸がきちんと輪郭を描いて引き取っていく。この組み合わせが、四季桜が夢ささらで狙った着地点です。
栃木県TF酵母は、華やかな吟醸香を生むタイプの県産酵母です。米も酵母も栃木、仕込み水は鬼怒川の伏流水。原料のほとんどを地元で揃えた一本になっています。
実際に口に含むと、まず大空が広がるような華やかな吟醸香。そのあとに、口いっぱいに広がる優しい甘さが続きます。40%まで磨いた米ならではの雑味のなさと、夢ささらのアミノ酸に由来する旨みが、同居している——というのが蔵としての味わいの説明になります。
ラベルは、筆を使わない墨絵
夢ささらのラベルを手がけたのは、ハンドドローイング墨絵アーティストの荒川颼氏です。筆を使わず、伝統的な技法やルールにとらわれない描き方で、「躍動感」「力強さ」「迫力」を追求する作品を発表しています。
荒川氏には、この夢ささらの味わいそのものを描いていただきました。大胆さと繊細さが同居した一枚です。贈り物としてお渡ししたときに、まず箱を開けた瞬間に伝わるものがあると思います。
おいしく飲むために
温度は10〜15℃を目安に
純米大吟醸は冷やしすぎると香りが閉じてしまいます。冷蔵庫から出して10分ほど置いた、10〜15℃あたり——いわゆる「花冷え」から「涼冷え」の温度帯がおすすめです。
グラスは、ワイングラスのように口がすぼまった形のものを。香りが立ち上がる余白ができて、夢ささらの吟醸香がよくわかります。
合わせたい料理
甘みと酸のバランスがよいお酒なので、味の濃いものより、素材の味を活かした料理と合います。
- 白身魚の刺身、昆布締め——お酒の甘みが魚の甘みを引き上げます
- だしのきいた炊き合わせ、湯葉——静かな料理ほど香りが引き立ちます
- 栃木の湯波(ゆば)料理——日光の名物。地元同士の相性です
- フレッシュチーズ、生ハムメロン——やや甘口の日本酒は、洋のつまみとも合います
- いちごや白桃などのフルーツ——食後酒としての楽しみ方も
逆に、脂の強い揚げ物や濃い味付けの中華には、同じ四季桜でも特別純米酒のようなしっかりした酒質のほうが向きます。
贈り物としての夢ささら
四季桜 純米大吟醸 夢ささらは、化粧箱込みでお届けしています。国際審査会での受賞歴があり、栃木県産の酒米と酵母で醸され、ラベルはアーティストの作品——贈る相手に説明できる要素がひととおり揃っているお酒です。
お世話になった方への御礼、遠方のご家族へ、あるいは栃木を離れた方への帰省土産の代わりに。720mlであれば飲みきりやすく、1800mlは長く楽しんでいただけます。ギフト用の手提げ袋は別途ご用意していますので、手渡しの場合はあわせてお求めください。
贈る日本酒の選び方については、日本酒ギフトの選び方|失敗しない贈答用おすすめ3選もあわせてご覧ください。
おわりに
栃木県が13年かけて育てた米を、栃木の酵母と鬼怒川の伏流水で醸す。それは地元の蔵として、当たり前のようでいて、実はそう簡単ではない挑戦でした。新しい酒米は、扱い方の蓄積がないところから始まるからです。
IWC2026での評価は、その積み重ねに対するひとつの答えだと受け止めています。ぜひ一度、夢ささらのポテンシャルを感じてみてください。
四季桜のほかの銘柄は四季桜 銘柄一覧から、送料やお届けについては送料と購入ガイドをご覧ください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。